青猫工場 〜 Bluecat Engineering 13th 〜

青猫は、分からないことを、考えている。

女性用下着を着けてみた。

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// TimeLine:20190810
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女性用下着を着けてみた。
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Written by 黒猫

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 数年前から、トランクスやボクサーパンツを穿かなくなった。
 男性用下着のことである。
 
「下着のことなんて、どうでもいいじゃないか」とも思う。少なくともそういう意見はあると思う。
 それはそれで御説ごもっともである。
 しかしどうだろう「たかが下着、されど下着」なのではないだろうか。
 
 まして「今日は何かありそうなパンツ(いわゆる勝負下着)」あるいは「今日は何かあっても大丈夫な靴下(いわゆる勝負靴下)」を穿いているだけで気持ちが安定し、心地よく過ごせることは諸兄も経験済みのはずである。
 え、ない?
 
>>>
 
 よく考えて欲しい。
 ウィークデイのデイタイムであったとしても。
 ウィークエンドのオフタイムであったとしても。
 誰かの家や会社を訪問する際、お座敷の食事の席、指先に穴の開いた靴下やストッキングで靴を脱いで上がることができるだろうか。
 自宅やオフィスにやってきた宅配業者の人と、落ち着いてやりとりができるだろうか。
 女性はもちろんのこと、男性であっても、よれたりゴムが弱っていたり布地が傷んだ下着や靴下を身に着けていては、いつも心のどこかに後ろめたさを抱え続けることになる。
 ゆえに自分のクローゼットやらタンスやら衣装ケースやらの中身は常に勝負用であるべきであり、下着や靴下の時点で自分の気分が高揚しないようなものならば、あるいは却って気力が萎えて士気が下がるようなものであるならば、身に付けない方がましである。捨ててしまえそんなゴミは!
 その上からどんな服を着ようが、どんな道具や宝飾品を身に付けようが、ハリボテの自身を誤魔化すことなどできないのである。
「えっ、今日? 急に……どうしよう、私。でも、せっかくのチャンスだし!」的な展開が万一あったとしても(今日の下着はダサいから、今から2人で一緒に過ごすなんてできないよぅ! 私のバカ!バカ!)ということにもなりかねない。
 
 まして(熱量をそのままに、いきなり話題がスライドするが)ロードバイクに乗る男性諸氏は、いったいサイクルパンツの下をどうしているのか。
 ノーパンか。
 それはそれで問題はないとも思うが、クッションつきでないジャージのようなものや、ナイロンの薄地のボトムの場合、どうするのだろう。
 トランクス? ボクサーパンツ?
 ノンノン、ムッシュゥ。
 
 だって、サドルと自身の間に揺れる貴方のそれ、もしくはそれに付随したふさふさヘアをどうするのか。
「貴方のそれ」がよしんば無事であったとしても、付随したふさふさヘアを変な具合に挟んでしまって痛い思いをしたことが、貴方はないのか。貴方はないのか。
 仮にその経験があって、かつ「オレ、脱毛しちゃったもんね」あるいは「オレ、剃毛しちゃったもんね」という「もんね」派の人たちは「貴方のそれ及びそれ周辺におけるふさふさヘア問題」についてだけは一応の解決を見ているといえるだろう。
 にもかかわらず、ボクサーパンツやトランクスに特有の「裾の布地が地味に邪魔問題」は解決しない。
 特にトランクスにおいてはタイトなタイプのボトムウェアの中で、変なフォルムを作ってしまう。
 もちろん、そんなタイトなボトムウェアにおいては「貴方のそれ」だって、ときに変なフォルムでその存在感をアッピルしてしまいかねない。いやしているはずだ!
 では、ちょっとしたポタリングごときに都度スポーツサポータを着用して「貴方のそれ及びそれ周辺におけるふさふさヘア問題」を解決するのか。
 
 無論、それは間違った選択ではない。
 そもそもこの問題について、唯一絶対の解答などありはしない。
 いっそロードバイクのために去勢したっていいのだ。
 それだって「貴方のそれ(中略)ア問題」を見事に解決するだろう。
 しかしその一方で、去勢はやり過ぎだ、あるいはやりたくない、という意見だってあるだろう。
 こちらを立てればあちらが立たず、ということはよくあることだ。変な当て字をするなよ。するなよ?
 
 よって平易で汎用性が高く、安全で可逆的、安価で全方位的に隙のない対策というものが求められるわけである。
 第一、一枚1000円とかするスポーツサポータを、週末の数時間しか走らない自転車のためだけに何枚も買うのは少々気が引ける。
 だからといって普段使いにするには、色気がないのですよな、あれ。
 
 そこで僕は、ビキニタイプの男性用ショーツを見かけては買い、見かけては買っていた。
 前側に「貴方やオレのそれやこれ」取出し用合わせ布などないものが至高である。
 あの布は邪魔であり、存在自体が稚拙であり、また稚拙な己を証明するものでもある。
 稚拙な「貴方やオ(中略)れ」であるからこそ、あの二重布に意味が見出されてしまう。存在価値が生まれてしまう。
 
 否。断じて否。
 否定せよ、その存在を。
 否定せよ、その必要性を。
 否定せよ、己が未熟を、あるいは衰退を。
(あるいはトイレに籠もって独りで訓練しな!)
 ゆえに、見た目にも綺麗で穿いて心地よく、機能美を追求したセクシィさ(奇をてらったケバケバしさなどではなく)と質実堅剛なシックな魅力を発揮する、シンプルでいて奥の深い男性用ショーツを、時代は、そう時代は求めているのである。(無駄な強調はわざと)
 
 量販店で1枚580円なら買いである。
 しかし量販店であればこそ、そんなに数の出ない商品を仕入れ/展示/販売する意味を見失うのは必然のこと。
 もはやそんじょそこいらの量販店において、男性用ショーツ(かつシンプルでシックでカッコイイ)は絶滅した。
 トランクスとボクサーパンツ(あと、純白にして「稚拙なる者のためのそれ」を装備した色気のかけらもないブリーフ)が、男性ボトムアンダウェア界を席巻してしまったのだ!!!!
(こんなに「!」を多用するのは、20年ぶりくらいです、はい)
 
>>>
 
 もともと観賞用に女性下着を買ったりすることもあったので、女性下着コーナーに(周囲の皆様に対しては申し訳ないという気持ちを持ちながら)ずけずけ踏み込むことにあまり抵抗のないワタクシですが。
 そもそも自分が着用する(!)目的で物色したことがないので、今回はさすがに緊張しました。
 観賞用は、サイズを考えなくていいので、サイズも含めてデザインが観賞に適していればそれでよいのです。
(飾って眺めることが機能であり目的な訳ですから)
 それに女性用ショーツは裾野が広い(!)。
 装飾性の高い視線誘導特化型のものもあれば、月経等の生理現象に合わせた機能特化型もあれば、アウタにラインを響かせないための隠密特化型もある。ほかにも多分ある。
 今回は「隠密特化傾向の高い、一枚布をぺらっと切って貼ったような」ものを買いました。
 3枚980円。Lサイズ。
 穿いてみたら、もう、カンペキ。
 男性用コーナーにないならば、女性用コーナーで探すべきだった。
 そこには僕らの目指すフロンティアが待っていた。
 
 あ、でもあれです。
「貴方のそれ」のサイズ的自己主張が激しい場合、そのような計算をして作られたポケット的な収まりどころは設計に含まれていないので「貴方のそれ」のボリュームが過剰な場合は、あまり美しく見えないかもしれません。
 あと「貴方のそれ」は標準的でも下腹部全般、あるいは全域のボリュームがボーナストラック的にコンテンツ過多の場合も諦めるべきかもしれません。
 高くても用途を満たす男性用ショーツを探すとか、色気もないサポータやブリーフでガマンするとか。
 あと「これは女性用下着だ!」と過剰に意識してしまって、コーフンしちゃうタイプの人も、多分無理でしょう。そもそも女性下着コーナーに踏み込めるとは思えませんが。
 
 いずれにしても気に入った下着を身に付けていれば、そう、身に付けてさえいれば、僕は、少なくとも僕だけは、こう思うことができる。
「今夜、もし急にナニかあっても、あたし大丈夫だぞっ!」と。
 
 まぁ、そんなナニかは、数十年と訪れたことがありませんが、ね。
 
 
 
 
 

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