青猫工場 〜 Bluecat Engineering 13th 〜

青猫は、分からないことを、考えている。

トイレ掃除の話 ~ our rest room. ~

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// TimeLine:20191210
// NOTE:
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TITLE:
トイレ掃除の話
SUBTITLE:
~ our rest room. ~
Written by 黒猫

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//[Body]
 
 飲食店で働いていた頃の名残だろう。
 汚れたトイレを見ると耐えられない。汚れたトイレで用を足すなんて考えたくない。
 結果、僕はトイレを掃除するのである。
 
 移動中に訪れたコンビニであろうと。
 オフ会の2次会くらいに寄ったカラオケ屋であろうと。
 最近恋人と同棲を始めたという友人の家であろうと。
 行きつけの吞み屋であろうと。
 僕はトイレを掃除する。
 
 結果として、僕がトイレから出るのは(「大」をしてたの?)というレベルに3を掛けたくらいの時間を要する。
 なぜといって、僕がこうした「アウェイのトイレ」を借用する場合、かなりの頻度で僕はトイレを掃除しているから。
 床が汚れていれば床も、洗面台が汚れていれば洗面台も、掃除しているから。
 
 水、トイレットペーパー、ペーパータオル、ハンディソープ、ラバーカップ、洗浄ブラシ、洗剤。
 だいたいこの程度があれば、完璧に綺麗にすることができる。
 そしてこれらはだいたい、目に付くところに備え付けられている。
 
 たいていひどく汚れているのは、コンビニとカラオケ、それに呑み屋である。
 定期的にトイレ掃除をするスタッフがあまりいないことが多いし、トイレ掃除をしたこともない人間もトイレを利用すると想像する。
 正直これを書いて想像を絶しているのだが、世の中にはトイレ掃除なんてしたことがない(汚しても綺麗にするなんて考えもしない)というオトナが、一定数はいるのである。
 しかしまぁ、そういう人たちはそういう人たちで、僕にとってはどうでもいい。
 トイレ掃除をしたことがあろうとなかろうと、公衆のトイレを掃除する意識のない人が利用し続ける限り、誰かが掃除をするそのときまでトイレは汚くなりつづけるのだ。
 そこには思想も、啓蒙も、理想も、観念も、意識も必要ない。
 他者を非難する必要も、己の行いを得意になって吹聴する必要もない。
 そこにあるのは汚れたトイレと清掃道具、そして自分だ。
 
 密室という小宇宙。
 何者の視線も監視も(多分)ないその空間で、己の心と向き合うのである(座禅か)。
 
>>>
 
 そのようなわけで(どのようなわけで?)僕はトイレを掃除してしまう。
 そこにはさまざまな汚れが付着していることが多いのではあるが、実際に掃除をしてみれば「汚したらすぐに落とせば一番ラクだ」という真理に気が付くだろう。
 換気扇掃除もそうだし、水回りの排水溝掃除もそうだ。
 汚れる前に掃除する。汚れたらすぐ掃除する。
 なんと簡単な事実を、僕は無視して生きているのかと、自問自答する。
 
 もちろん、ここだけの話、恥ずかしながらも(ポッ)、正直に言うと、文句を言いながら掃除をしている。
「汚したらすぐに落とせ(真理)」とか、
「なぜ俺が掃除をしなくてはならないのか(そこに汚れたトイレがあるからだ)」とか、
「トイレを汚してそのままで平気だなんて信じられない(と言うほどでもない)」とか。
 
 そして文句を言いながら(ああ、なんて心が狭いのだろう自分は)と思ったりする。
 だってしたくないなら掃除などしなければいいのだ。
 したくて掃除をしておいて、掃除をしない他人に文句を言っているのは、たいそう滑稽で狭量だとは思わないだろうか。
 
 たしかにたかだか排泄の問題である。
 用を足せればそれでいいのだ。
 道具の良し悪しなんて関係ない、といえばそのとおりかもしれない。
 汚れたトイレだろうと、清潔なトイレだろうと、排泄欲求と排泄行為の前に差はない、という人もいるだろう。
 
 しかし本当にそうだろうか。
 
 不潔で汚れたトイレで用を足すことに、恐怖感や嫌悪感はないだろうか。
 清潔なトイレで用を足すとき、満ち足りた安心感はないだろうか。
「排泄の用を足す」うえで、その両者は自分の精神衛生上になんらの差もないのだろうか。
 
 出せば終わりか。
 出せればそれでいいのかオマエたちは。
 そんな気にもなる。
 
 何でもいいのか、どこでもいいのか、誰でもいいのか。
 そういうオトコなのか。
 そんな台詞も(全然関係ないけれど)思い浮かぶ。
 
 いずれにしても下世話なことである。
 他人の下世話が気になるようになったら、いよいよ下世話であるから、己を省みるのである。
 
 公共のトイレを掃除するのは、そんなちょっとした小宇宙、自省の機会なのである。
 
 
 
 
 

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[NEXUS]
~ Junction Box ~
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[Engineer]
  -黒猫-/-BlueCat-
 
[InterMethod]
  -Algorithm-Diary-Form-Interface-Link-Maintenance-Mechanics-Rhythm-Stand_Alone-
 
[Module]
  -Condencer-Connector-Generator-Reactor-
 
[Object]
  -Human-Tool-
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[Cat-Ego-Lies]
  -おこと教室-:-ひとになったゆめをみる-
 
 
 
 
 
//EOF