青猫工場 〜 Bluecat Engineering 13th 〜

青猫は、分からないことを、考えている。

5年くらい前の間接的DV的な恋人的について。

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TITLE:
5年くらい前の間接的DV的な恋人的について。
 
Written by BlueCat

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 5年ほどまえに付き合っていた恋人が、間接的DVを行う程度にはビョーキだったなぁ、ということを最近ようやく認識しはじめた。洗脳って恐ろしい。
 
 とくに僕は、悩みや困ったことがあった場合、誰にも相談しない傾向がある。
 そりゃそうだろう。
 7歳くらいから半ば独り暮らし。23歳から完全に独り暮らしをしている。
 学校でいじめられようが、性的な悩みを抱えようが、お金がなくて水道まで止められようが、自分の力だけでどうにかするしかないと思っていたし、思っているし、その上でなんとか解決して生きてきた。
 
 他人に頼られれば、適当に対応するが、自分が誰かを頼るなんて、そうそう考えない。
 問題というのは、解決力を高めるために与えられたツールだと考えるならば、時間はかかっても、遠回りでも、味方なんていなくても、そして道中が真っ暗闇で、痛くて苦しくても、一日を生きれば、一日分前に進むかもしれない(進まないならば、その停滞もまた前進だと僕は思う)。
 
 僕がその恋人と一緒にいた間に、どのように自分が傷ついたか。
 というのをわざわざ書くことはとても恥ずかしいことだと思っているし、傷ついたという認識をする自分を認めたくない気持ちは当然あるのだけれど、僕の価値観が、現時点では不可逆的に変容してしまっていることを考えるに、僕はねじ曲げられたのだ。という認識をすることにした。そうでないと、僕はもう、もたない。
 
 そして「他者によって傷つけられた」というレッテルによって、恐らく僕は責任を転嫁するだろう。
 転嫁することによって、僕は、その時点で僕の選んだこと、あるいは選べなかったことが「可能な限りのベストを尽くした結果だった」と認識して、従前の価値観を取り戻そうとしている。
 他人を、少しは信用し、あるいは困ったり悲しくなったりしたときに、頼れる程度の許容性というか、強さというか、警戒心を下げた状態というか、そういったありように。
 
 ことほどさよう、僕は僕以外の誰も、信用しないようになっている。
 皆、自分のことで躍起になっている。
 自分のことを誰かにほめそやされたいとか、誰かを自分の目的のために利用しようとか、そんな気持ちで他人と接しているのだという疑念が払拭できない。
 プラスとマイナス、数値的なやりとり、契約や肩書きや、支配や承認や、そういった本来の人間関係とは少々ことなる次元のありようが先に立っていて、それを覆い隠すように、やれ優しさだの、正しさだの、誠実さだのという日本語でカモフラージュしているように思えて仕方ない。
 そのシールをぺろりと剥がすと、中から金だの欲だの体面だの世間体だのといったものが黒光りしながら蠢いているようで、だから人の顔を、以前のように真正面から見ることができない。
 
 だから、スーパで買い物をしていてレジのパートさんに「素敵な声ですね」とか褒められたり、知り合いのガールに「優しい上に博学か!」などと褒められたりしたところで「今日もモテだぜ」とは素直に思えなくなった。
「この人は、ワタシを利用して、いったいナニを満たそうとしているんだろう」と勘ぐってしまう。
 
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 もちろん僕は、僕を取り巻いていた人や物事のすべてを正確に書くつもりがない。
 僕は僕に都合よく、記憶を編纂して記述するだろう。
 もうこれ以上、僕が僕を悪者にする必要はないし、その(過去の)命令に従い続ける理由もない。
 まったくもって、びっくりするくらい、人間というのは、誰かにされた仕打ちを、他の誰かに当然としてしまうかもしれないものらしいから、せめてそういう狂った記憶は自分の中で消化しないといけないのだと、10年以上配偶者からDVを受けていた姉に言われた。言われた気がする。気のせいだろうか。気のせいかもしれない。
(いや言われたが)
 
 時系列に従う必要はないと思うが、まず最初にされたのは、携帯電話を覗くことだ。
 僕は恋人はもちろん、友人だろうが何だろうが、パーソナルな領域の物事に、勝手にアクセスすることをしない。
 これは僕にとっては常識だったが、当時の恋人には常識ではなかったらしい。
 僕に恋人が27人いることがその原因だと、きわめて正論のように述べていたけれど、それは後付けの言い訳だ。
 実際に、僕の携帯電話には1000人以上の個人情報が入っている。
 どうやら電話帳の整理を、目の前でさせたかった様子の恋人は、それを見て諦めた。
「電話帳の整理を、目の前でさせる」
 これもちょっとした狂気だと僕は思う。しかしこれも、彼女にとっては常識だったのだろう。
 狂気はさらに続き、最終的には、僕のPCメールのアカウントに送信されるメールを、彼女の携帯電話に転送させられる羽目になった。
 もう完全に狂気であるが、それが必然であると彼女は訴えた。
 僕はもはや抵抗の意思を失っていた。
 
 彼女はある日突然、僕の家の書架を整理した。許可もなく。
 もちろん書籍のサイズでもなく、作者でもなく、上下も関係なく本が収められ、シリーズものは数字もバラバラに入っている様は、とうてい「整頓された書架」には見えなかったろう。
 しかし、僕は書架を誰かに見せるためのものとしては使っていなかった。
 僕が、適切に目的の本を探し、かつ、関連した書籍がうまく動線や視線に組み込まれるように、何年も掛けて出したり仕舞ったりするうちにできあがった序列だった。
 まして年に2度くらいはその配列は見直されていたのだ。
 にもかかわらず、書籍の大きさや、作者や、出版社ごとにこっぴどく整列された書物をして、僕は、目的の本を探すことができなくなった。
 借りてきた本や、読みかけの本(が、だいたい10冊以上あるのがデフォルトだった)を一番目につく場所に置いていたのだけれど、それも分からなくなってしまった。
 書架の中には、過去の日記や、妹とその旦那様と私の写真が収められたアルバム(数少ない私の写真である)などもあった。
 もれなく見られた。
 預金通帳なども転がっていたから、おそらくもれなく見たことだろう。
 
 そのことごとくに、彼女は、もっともらしく「彼女の正論」をぶつけて正当化した。
「それは必要なことだった」と。
 たとえば「書架を整理したのは、本が乱雑に仕舞われていたからだ。そこにルールがあるなんて知らなかったし教えなかった貴方が悪い」
 たとえば「日記を読んでしまったのは悪かったが、書架には鍵も掛けられていなかった。そもそも本を乱雑に放置している貴方が悪い」
 まぁ、一事が万事、こんな調子である。
 
 当時、僕たちは、結婚を前提に同棲を始めたわけなのだけれど、どういうわけか、彼女は「結婚」というカタチを必要以上に急いだ。
 しかし僕はそれまで長いあいだ独りで生きていたわけだし、そもそも僕の家は2人で暮らすには狭いように感じた。
 だから、棲む場所やマネーフローも含めて考えようと提案した。
 特に彼女は、その時点でも横浜に籍がある人で、まずはこちらで仕事を探したりするのがよいのではないかと提案した。そして即座に否定された。理由は分からない。
 何はともあれ、1年以内に結婚せよ、と命ぜられた。そう、時間を明確に区切られた。
 恋人として生活して10年近く経っていればまぁ、そういう準備もできるだろうけれど、僕たちは知り合ってからは何年か経っていたものの、恋人として行動したのは数ヶ月にもなっていなかった頃だと思う。
 その時点で、僕は気が付いてよかったのだ。
 
 彼女は「誰かと結婚をしたい」のであって「僕と暮らしたいわけではない」ということに。
 
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 日記に書いてあった僕の過去が原因で(と僕はのちに説明される)、彼女は投薬自殺未遂的なことをした。
 単純に言えば、酒に酔って退行した頭脳で(どういうわけか彼女は、酒に酔うことで退行することを自身に許容していた。単に酒に弱かったのかもしれない)、やけっぱちになって自分のもっている睡眠導入剤をすべて飲み、その辺にある僕の鎮痛消炎剤やら、カフェイン剤やら頭痛薬やら風邪薬やら消臭ビーズやらを飲みまくり、その日、仕事から帰った僕の部屋で意識不明になって横たわっていた。
 
 救急車を呼んで、無事が確認されたのち、彼女は、彼女の以前の恋人の家に暮らすことになった。
 横浜にいた彼女の、横浜にいたであろう元恋人は、どういうわけか、電車で横浜から3時間以上掛かる僕の家からわずか車で20分ほどの場所に住んでいた。
 その理由について、僕は深く詮索する気にもならなかった。
 彼女はよく嘘をついた(そしてよく目が泳いだ)し、よほどねじ伏せられない限りなかなか本音を言わない性格のようであり(彼女の理屈のこね方などがそれを物語っている。誤った出口を全て塞いでやらないと正しい道を伝えられないイキモノは、ネズミと等しいのではないだろうか)、僕は他人をねじ伏せる労力を必要としたことがなかった。
 嘘というのは、嘘をつきたい間くらいは、それと知らぬふりをして受け止めるのもひとつの関係の作り方だと僕は思っている。
 わざわざ理詰めでそれを曝くことの馬鹿馬鹿しさを思うと、どうしてもその労力が無駄に思えるのだった。
 
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 実に、彼女と付き合い続けることや、結婚をしようとしていることについて、彼女と僕の間での相談や計画というのはそのほとんどすべてが最初から彼女に否定され続けていた。
 その一方で、どういうわけか、彼女や彼女の両親ではなく、彼女と彼女の以前の勤務先の上司であるとか、彼女の以前の恋人であるとかに、僕はたびたび囲まれて「こうなんじゃないの?」「こうするものじゃないの?」「これが常識じゃない?」と何度も詰問された。
 
 こちらから出向いて、挨拶をして、なぜか説教をされる。
 彼女は第三者としてこちらを見高に観察しているふうであり、説教している人物は、たいていこちらを小馬鹿にしているふうである。ああいうのは目を見れば、いくら僕がアホウでも分かる。
 そのたびに僕は「なにしてるんだろ」と思った。
 
 もちろん第三者である彼ら/彼女たちが、僕の(当時の)恋人の肩を持ち、味方をしたいという気持ちは分かる。
 しかし、その当の相手(僕)を連れてこさせてなんだか分からない話しをするのはどうなのだろう。
 当時の恋人の曰く「私は頭が良くないので、他の人の意見も聞きたいのだ」とか。
 
 元彼の家に数ヶ月滞在したのち、僕の家に戻ってきた彼女はある日、何らかの理由を述べて数日、僕の家から出て行った。
 数日後、電話が掛かってきた。
 ひどく酒に酔っている様子で、ろれつが回っていなかった。
 膝に怪我をしたとか何とか言っていて、もう戻れない、などと言っていた。
 酔うと自制を失うタイプの人だということは分かっていたし、お酒を飲むなら一緒の時に飲もうと言っているのに、一緒の時には飲もうとしなかった。おそらく信用されていなかったのだろうと思う。
 
 その後、彼女は家にやってきて、荷物をまとめて出て行った。
 僕は止めなかったし、止める気もなかった。
 彼女に何があったのかは分からないし、知りたいとも思わなかった。
 知りたいと思って、果たして正しい答えが分かるだろうか。
 体のいい嘘を聞かされるために、興味を持ったり心配をするくらいなら、そんな労力は、お互いに省いた方が身のためだろうと僕は思った。
 
 そして自責の念だけが残った。
 
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 とにかく彼女にすれば一事が万事、僕のせいであり、僕だけが原因であり、理由であり、根源だった。
 自殺未遂(というほどでもない複合的な酩酊状態になる)という行為も、元を正せば貴方のせいだ、ということを暗に伝えるための行為である。(子どもの嘘泣きのひどいバージョンみたいなものだ)
 僕はプライバシーだの何だのをさんざんにかき回された挙げ句(妹とおそろいで持っているカエルのぬいぐるみまで捨てさせられ)、私が悪かったです、ということを声に出して言えと何度となく強制され、反省文まで書かされた。
 おそらくそういった諸々が、彼女にとっては正常なことで、常識だったのだろう。
 2人できちんと決めたことは、結局ほとんど、なにもなかった。
 問題があるたび「あなたが悪い」と明に暗に訴えられ、そこにはもっともらしい理由が付いていた。
「あなたは、なぜ、ワタシの思うとおりになろうとしないの」という、暗黙の欲が、いたるところに渦巻いていた。
 その欲のために、関係のないはずの人間につぎつぎ会わされ、彼女は僕とろくに話し合おうとせず、ただ結果だけを求めて突きつけてきた。
 なるほど確かに、その観点で見れば、僕は、彼女が結婚できない原因であり、理由であり、根源であった。
 
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「私にはどこにも味方がいない」
 と彼女が僕に言い募ったことがある。
 今でも意味が分からない。
 私の味方になれ、という意味だったのだろうか。
 それとも「私が会わせた無関係の人々のことごとくでさえ、私の味方などではないのだ」と訴えたかったのだろうか。
 分からない。
 
 今の僕は、言える。
「味方なんかどこにもいないし、最初からいない。欲しいなら自分で作るしかないし、作るには自分が誰かの味方になるしかない」と。
 
 もちろん僕は彼女の味方にはならなかった。
 
 なれればいいな、とは思っていた。
 そう。
「なる!」でも「なりたい!」でもなく「なれればいいな」くらいの、力の抜け加減や押しつけがましさのないことが必要なのだ(と、僕は思っているのね)。
 
 でも、病んでいる人間の味方になることは、僕のような、欠けた部分だらけの人間にはできないのだろうし、ついでにはっきり言ってしまえば、アタマの悪い人間と、病んでいる人間を、僕は哀れむことこそできたとしても、好きにはなれない。
 
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 以来、僕は、僕に近づいてくる人間が、僕と接する人間が、僕に何かを求めていて、いやむしろ求めてさえいなくて、僕をその人の何かのために利用したくてうずうずしているのではないかと思ってしまって、どうも落ち着かない。
 もちろん、何かを求めるのは勝手だし、利用したければすればいいとも思う。
 求めた何かに応じられるなら、それは素敵なことだし、単に利用したいだけならとっとと帰ってマスかいて寝な! と思う。
 
 出汁ガラのようになった、オカネモチでもない齢40をとうに過ぎたオッサンだ、という見方もできる。
(そっちは着ぐるみで中身は猫なのだが、俗人にはそれが見えないらしい)
 煮出したところで、何が出てくるわけですらないのだ。
 
 家族もいないし、現在は(半年ほども)仕事すらしていない。
 よくこの世の空気を吸っていられるな、と自分でも感心するくらいだ。
 
 ただ、誰かが潜在化している欲の道具に仕立て上げられるのは、顕在化している欲の道具にされるよりよほど面倒で、厄介で、傷が深くなる。そんな気がする。
 
 
 
 
 
 
 

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